夜話集15 「森の木々が紅葉するわけ」
カテゴリー: 文京第5団夜話集
掲載日:2008/11/05
人間がこの世に生きていられるのは、100年。しかし、森の中に生きている木は、何百年、何千年と生きつづけるものもあります。
ある森に、何千年も生きてきた、森で一番大きな木がありました。他の木々より一段と高くそびえる立派な木でしたので、森に棲む仲間たちから“王様の木”と呼ばれていました。しかし、王様の木は何千年も生きてきたので、そろそろ立っているのがつらくなってきました。するとある日、神様が王様の木にいいました。
「お前はほんとうによく頑張ってきた。嵐の夜に、逃げ回る動物たちを幹の割れ目の部屋で守ってあげた。雷が落ちる時は、だれよりも高く頭を出して自分のからだで受け止めて、森の木々を守ってやった。小さな虫から大きな木まで森の仲間たちみんなを守りつづけてきたお前に、永遠の眠りに入る前に、何か願いを叶えてあげよう」
すると、王様の木はこう答えました。
「いつも雨上がりに、森の空に虹がかかります。あの美しい虹の色を全身に浴びてみたい。自分のいる森を一面虹色に染めてください」
神様は「お前が永い眠りにつく前に、虹を贈ろう」と約束しました。
その年の秋のことです。神様からの贈り物が森に届きました。森全体が、それはそれは美しい七色に染まったのです。それを見た王様の木は、静かに眠りにつきました。それ以来、毎年秋になると、森全体が美しい紅葉に染まるようになったということです。
ある森に、何千年も生きてきた、森で一番大きな木がありました。他の木々より一段と高くそびえる立派な木でしたので、森に棲む仲間たちから“王様の木”と呼ばれていました。しかし、王様の木は何千年も生きてきたので、そろそろ立っているのがつらくなってきました。するとある日、神様が王様の木にいいました。
「お前はほんとうによく頑張ってきた。嵐の夜に、逃げ回る動物たちを幹の割れ目の部屋で守ってあげた。雷が落ちる時は、だれよりも高く頭を出して自分のからだで受け止めて、森の木々を守ってやった。小さな虫から大きな木まで森の仲間たちみんなを守りつづけてきたお前に、永遠の眠りに入る前に、何か願いを叶えてあげよう」
すると、王様の木はこう答えました。
「いつも雨上がりに、森の空に虹がかかります。あの美しい虹の色を全身に浴びてみたい。自分のいる森を一面虹色に染めてください」
神様は「お前が永い眠りにつく前に、虹を贈ろう」と約束しました。
その年の秋のことです。神様からの贈り物が森に届きました。森全体が、それはそれは美しい七色に染まったのです。それを見た王様の木は、静かに眠りにつきました。それ以来、毎年秋になると、森全体が美しい紅葉に染まるようになったということです。
副団委員長 大曽根勇夫(元CS・RS隊長)
ボーイスカウト東京文京第5団